記念金貨の値上がりはどこまで続く?最新の相場と売却のコツを解説

近年、記念金貨の価値は大きく上昇しており、いまや単なるコレクションにとどまらず、資産形成の手段としても注目されています。
たとえば「昭和天皇御在位60年記念10万円金貨」は1986年に額面10万円で発行されましたが、2025年現在では金相場の高騰により、その価値はおよそ36万円にまで達しています。
本記事では、記念金貨が値上がりする理由や過去の価格推移、さらに売却時に押さえておくべき注意点までを詳しく解説します。
お手元の記念金貨の価値を知りたい方、売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
記念金貨は値上がりしている?最新の相場は?
記念金貨は造幣局によって正式に貨幣として発行されているため、額面としての価値が保証されています。
たとえば、額面10万円の記念金貨であれば、それだけで10万円の価値を持つことが担保されているのです。
ただし、記念金貨の価値は額面だけではありません。
市場では大きく分けて、
- 額面としての価値
- コレクション性によるプレミア価値
- 素材である金そのものの価値
この3つの要素が組み合わさり、記念金貨の価格が形成されています。
記念金貨値上がりの理由は金相場の高騰
近年、記念金貨の価値が上昇し続けている最大の要因は、世界的な金相場の高騰です。
金は、インフレヘッジ(インフレ対策)や有事の際の安全資産として広く認識されています。
世界経済の不確実性や各国の金融緩和政策、地政学リスクの高まりなどが要因となり、金の価値は長期的に上昇傾向にあります。
記念金貨の多くはK24(純金)で造られているため、この金相場の変動がそのまま素材価値に直結します。その結果、金貨の市場価格も大きく押し上げられているのです。
昭和天皇御在位60年記念金貨の価格推移は?
具体的な例として、日本の記念金貨の代表格である「昭和天皇御在位60年記念金貨」の価格推移を見てみましょう。
この金貨が発行された1986年当時、金相場は1g約2,115円でした。20gの純金製金貨ですので、発行当時の素材価値は約4万2,300円(2,115円/g×20g)ということになります。
ところがその後、金相場は2000年頃からじわじわと上昇を始め、近年では年単位で見ると5~30%程度の上昇率を示すようになりました。
その結果、2025年9月時点の金相場は1gあたり約1万8,000円にまで上昇。この金貨の素材価値は36万円(18,000円×20g)に達しています。
つまり、約40年で素材価値だけでも約9倍に膨らんだことになります。
記念金貨の値上がりはどこまで続く?
前述でもお伝えしたように、記念金貨の価値を押し上げている最大の要因は、世界的な金相場の高騰です。
金は有限資源であり、人工的に大量生産することができないため、世界的な需要増加とともに価格は長期的に上昇してきました。
特に2000年以降は大きな暴落が一度もなく、上昇率は年々増加傾向にあります。
加えて、地政学リスクの高まりや通貨の価値下落(円安・ドル安)、投資家による「有事の金」需要の増加も、金価格を押し上げる要因となっています。
これらの背景を考えると、記念金貨の値上がり傾向は今後もしばらく続く可能性が高いといえるでしょう。
ただし、資産運用の世界に「絶対」はありません。相場の変動要因は複雑であり、短期的には価格が下落する局面もあり得ます。
将来的に価値がさらに伸びる可能性を見込んで保有を続けるか、現時点の高値を好機と捉えて売却するかは、ご自身の資産状況や目的に応じて判断することが重要です。
価値が上昇中!日本の代表的な記念金貨
近年価値が上昇している日本の代表的な記念金貨をいくつかご紹介します。
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

御在位60年記念1万円銀貨と10万円金貨
図柄(表) | 平和を象徴する鳩と日本の豊かな自然や稲作文化を表す水 |
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図柄(裏) | 菊の御紋章 |
品位 | K24(純金) |
量目 | 20g |
直径 | 30mm |
額面 | 10万円 |
1986年(昭和61年)に昭和天皇の御在位60年を記念して発行された日本初の記念金貨です。
昭和61年に1000万枚、翌年(昭和62年)に追加発行分として100万枚の合計1100万枚が発行されました。
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨の買取価格を『金貨買取本舗』でチェック!天皇陛下御即位記念10万円金貨

天皇陛下御即位記念10万円金貨のプルーフ
図柄(表) | 縁起の良い鳳凰と瑞雲 |
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図柄(裏) | 菊の御紋と桐と唐草 |
品位 | K24(純金) |
量目 | 30g |
直径 | 33mm |
額面 | 10万円 |
天皇陛下御即位記念10万円金貨は、1990年(平成2年)に上皇陛下(明仁上皇)のご即位を記念して発行された金貨です。
発行枚数は200万枚で、うちプルーフ金貨のセットが10万セット(10万枚)発行されました。
額面価値は、天皇陛下御在位60年記念金貨と同様に10万円ですが、こちらの金貨の量目は30gと御在位60年記念金貨よりも10gも多くの金を使用しています。
天皇陛下御即位記念10万円金貨の買取価格を『金貨買取本舗』でチェック!皇太子殿下御成婚記念5万円金貨

皇太子殿下御成婚記念5万円金貨
図柄(表) | 瑞鳥である2羽の鶴と波 |
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図柄(裏) | 菊の御紋章と皇太子殿下のお印である梓 |
品位 | K24(純金) |
量目 | 18g |
直径 | 27mm |
額面 | 5万円 |
皇太子殿下御成婚記念5万円金貨は、今生天皇徳仁陛下と皇后雅子陛下のご結婚を祝福して1993年(平成5年)に200万枚が発行されました。
額面が5万円の記念金貨は、この金貨が初めてです。
皇太子殿下御成婚記念5万円金貨の買取価格を『金貨買取本舗』でチェック!記念金貨を高値で売却するためのポイント
せっかくの記念金貨を売却するなら、少しでも高値で手放したいもの。そのためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
複数の買取店で査定を受ける
記念金貨の評価基準は業者ごとに異なります。金としての価値だけでなく、プレミア価値を適切に見極められる専門知識を持つ業者を選ぶことが大切です。
複数の店舗に査定を依頼し、サービス内容や提示価格を比較した上で納得のいく業者に売却することをおすすめします。
金相場とプレミア価値の動向を見極める
金相場は日々変動します。売却を検討する際は、金価格が高騰しているタイミングを狙うのが有利です。
また、特定の記念行事や出来事をきっかけに、一時的にプレミア価値が高まることもあります。市場動向を注視し、最適な売却時期を見極めましょう。
金貨の状態を最良に保つ
傷や汚れがなく、鑑定書やケースが揃っている金貨は高値が付きやすくなります。
純金製の金貨は基本的に酸化することはありませんが、湿度の高い場所に保管することと表面にくすみが生じる場合があります。
また、素手で触れると皮脂や汗が表面に残り、それが変色の原因になることもあるため、取り扱う際は手袋の着用をおすすめします。
さらに、付属する鑑定書や保証書、ケースも真贋を証明し、資産価値を維持するうえで重要な役割を果たします。これらも金貨と合わせて大切に保管しましょう。
まとめ
記念金貨は、素材である金の価値の高騰により、近年大きく値上がりしています。
昭和天皇御在位60年記念金貨のように、発行当時と比べて素材価値だけで約9倍にまで上昇した例もあり、手元に眠っている記念金貨が思わぬ高値になるケースも少なくありません。
こうした記念金貨の値上がりは、今後も続く可能性があります。しかし、売却の好機はまさに「今」訪れているかもしれません。
相場や市場の動きを見極めながら、信頼できる業者に相談し、タイミングを逃さず賢く手放すことで、より大きなリターンにつなげられるでしょう。
日本の記念金貨の買取価格を『金貨買取本舗』でチェック!この記事は参考になりましたか?